ChapterX 〜Chapter Y〜 LAST Chapter

      

Dream of GLORY…
その後の進路については、親とは大学へ行ったと同じで4年間は好きなことやってもいいと。で、ものにならなかった時は家業を継ぐ、みたいな話をとりつけてあった。そっちの不安よりも、バンドもかなり本格的になってたんだけど、メンバーに”オレ、○×デパートに就職決まったから”とか出てくるわけじゃない? バンドがちゃんと続けられるのかどうかって、そういうのがちょっとあった。
今だったらライブハウスに売り込んでとか、インディーズ・レーベルにあたってとか、なるんだろうけどね。その頃はまだ”コンテストに出場して入賞を狙う!”時代っていうか。一応俺たちのバンドは地元なら当時でも500人くらい人集めてたし、もちろん実力があったしさ。「ヤマハEAST WEST」の全国大会に出られることになったわけ。もちろん、その頃から松井なんかは一緒で。で、入賞してスカウトされるような形になるんだけど……ゴチャゴチャ色々とあって、すぐには上手くいかなくて、一度高崎に帰ってディスコでバイトしたり…。

まだバンドとしてデビューは無理だから、いずれ先にキチンとデビューするためにそれぞれ別のところで武者修行しろ、みたいな話だったんだ。で、俺は半年間の約束であるバンドのボーカルをやることになるわけ。ところがそれがさ、まったく困った意味で本格的だったんだよ。他のメンバーがかなりの年上で、スケジュールもけっこう詰まってるし、レコードも出すし。だけど、それは音楽的にもビジュアル的にも全然俺のやりたいことじゃなかった。出たくても契約上出られないって時期がけっこう続いたからね。まぁ色々あったのは確か。
努力家じゃないし、こっちだってチンピラなんだけど、負けたくないって意識だけはものすごく強かった。こんなところで、本当にやりたい事もやっていないのに終わるかよ、っていう。そういう”怒り”みたいな感情の方が常に上にあったから、あきらめたり、ドップリ漬かったりにはならなかった。俺、チンピラの美学って絶対あると思うから。大人になっていけば誰だって嫌でも世の中の仕組み、社会のシステムを知っていくわけじゃない。どうしたって、子供の頃みたいに何事もなくても毎日が楽しいってわけにはいかなくなるよ。だけどそこで、”世の中ってのはこういうもんさ”とか”しょうがないよ”とか言って生きていくのはもっとつまらないと思うんだよね。俺はそれでも楽しく生きていきたいからさ。自分自身が本当に楽しいと思えてなかったら、俺は負けだと思うんだよね。
                       




biographyへもどる