MELLOW

−「MELLOW」はセルフプロデュースで完成されてますが。
「ハードデュスクレコーディングを取り入れることで、頭の中で創っているイメージを100%カタチにすることができますからね。今回は素材集めからすべてやったわけですが、おかげさまでいつもより時間はかかったかもしれない」
−「MELLOW」としてどのあたりを際立たせていこうと。
「MELLOWというタイトル自体は制作の後半になってタイトリングしたものなので、そのタイトルがコンセプトだったということではないですね。」
−では、ソロー、ミディアムにはこだわりは始めからあったということですか。
「それも違う(笑)。SLEEPLESS NIGHTはちょっと時期が違うんですが、もしダイヤモンドダストの制作辺りからのことで考えると、あの楽曲もひとつタイアップありきという所から始まっていて、その作業の終盤あたりからアルバムに向けての局を整理していって…。結局自分の中のジャッジにかなう作品が、スローやミディアムに落ち着いたというのが本当のところですね。一番素直な流れ。速いタイプのナンバーはいつでも書けるって意識があったのかも知れませんが(笑)」
−MELLOWというタイトルは自然に生まれてきたものですか。
「もともと、雪之丞さんが持っていた言葉。雪之丞さんにもきちんと相談してタイトルにさせていただきました」
−ファンの反応とかは気になりませんでしたか?
「ならない(笑)。というか、現在の自分によって自信を持てる作品がすべてなわけですよ。”こんなの氷室じゃない”って言われてもそれはそれで仕方がない。イメージに寄り添っていつも似たような作品を創っていかなければいけなくなるんだとしたら、もうミュージシャンをやってる意味はないですよね。自分自身が胸を張れる作品をリリースする。その後、詫びを売ってまでして、聴いてもらうような真似はしたくないですよね。それは作品にも失礼なことだと思うし」
−MELLOWは氷室さんにとっては冒険であった?
「っていうか一番自然な流れですよね。だから今後のこともわからない。ただ言えることは、LAで制作を続けていくことの意味にはいつも素直でいようと思ってます。結果がどうのではなく常に新しいことにトライし続けていくことが、一番大切なことですからね」
※参考文献22

(おまけ♪)
紺待人さんのかっこいいTEXTがありましたのでおまけで掲載します。
「今までの氷室京介を知っているオーディエンスにとって、MELLOWはもしかしたら賛否両論を呼ぶものになるかもしれない。けれども、アルバムに予備知識なく耳を傾けた時、10の作品たちはそのクオリティのみならずさまざまなストーリーを聴き手に与えることになるに違いない。シングルヒットは常に似たものが創りだされ、あきられるまで消費される。それがチャートとしてのひとつの指名だとしても、そうではない存在が、そのキャリアを持って変り続けていくことに圧倒的なパワーを感じずにはいられない。(省略)MELLOWとタイトリングされたアルバムのラストナンバー「bringing da noise」。 転がり続ける氷室のネクストを、このラストチューンが示唆してくれているのかも知れない。MELLOWの10番目のストーリー。」

−アルバムのオープニングと最後の2曲はちょっと違うタイプの曲ですけど。
「そうですね。アルバム全体のシーケンスを考えた時に、1曲目のSLEEPLESS NIGHTがメロウじゃないですから、最後も違うテイストで終わるのもいいと思ったんですね。全部、ミディアムだと単純になるかな、と。2曲目から8曲目までがMELLOWというテーマに沿った曲ですね」
−このアルバムが今後もこういう方向に行くという予告と言えますか。
「ずっとバラード歌手をやりたいわけじゃないですよ(笑)。今回はたまたまと思ってもらってもいいかな。今回はストイックにストイックにやった分、次はもっとリラックスしてビートなことをやるかもしれないし。ビート系の中の揺れとか。そういうレンジの広さという意味でのアイデンティティーみたいなものは大事にしていきたいですよね」
 



SLEEPLESS NIGHT
〜眠れない夜のために〜
  あそこまで分かりやすい8ビートものはこれを最後にしようとは思いましたね。ああいう曲は作っていてラクなんで。比較的すぐ出来るんで。3分じゃできないと思いますけど、15分くらいはかかる(笑)

永遠〜Eternity〜
  映画音楽っぽいですけどね。映画がなくてもああいう落ち着き方をしてると思いますよ。久しぶりに自分なりのデモテープをものすごい量で作って、そのプリプロをスタジオに持ち込んで、昔一緒にやって面識のあるトニー・レヴィンを呼んで、自分のプロデュースのきっかけを作ろうとした曲ですね。

Still The One
  イントロが始まった瞬間にカッコいいもん(笑)。自画自賛なんだけどさ。”コレだよな”って思うよ。スゴイゆったりしてるじゃない?で、グルーヴもレイドバックしてるんだけど、歌がハマって全体を通して聴いたときに、”ヨレてる”とは別に聴いてる人は思わないでしょ?自然に気持ちよく聴けるでしょ。そこが大事。

Believe
  いわゆる自分が育ってきた中で聴いてる日本の音楽の血が、一番流れてる曲だね。”俺の中での日本人”が好きな、好きそうな曲。

 

So Far So Close
  So Far So Closeとか、そういう曲をキチッと聴いてくれるアルバムの枠を作りたかったんでしょう。自分の精神状態が。

ドラマーがジョシュ・フリーズってヤツだったんですよ。で、彼は今すごい売れっ子なんだけど、どっちかって言えば固いグルーヴの人なんで、ダビングされた上モノは、結構人間的なグルーヴなんだけれど、ドラムは固いよね。

ダイヤモンド・ダスト
  主題歌っていう意識はあんまりなかったですね。ただ、僕の中では、限りなくシンプルにというのはありましたね。普遍的なものというか、絶対的なものってあるじゃないですか。万人が聴いて心の奥底にズンと入っていくもの。雪之丞さんとも、普遍的な愛の形を作れればいいですねっていう言葉を合い言葉にやってましたね。

Chaos
  Chaosの歌詞は”混沌”ということですもんね。人生全体すべてカオスということですよね。答えの見えてる人がどのくらいいるのだろうという。でも、答えを捜すために皆、何かをやってるわけど、やってることが正しいのか正しくないのかわからないですけど、誰も助けてくれないわけですから。最終的に正しいと思えるようにその都度納得してやっていくしかないですよね、というようなことを歌った歌ですけど。

 

brining da noise
  元々デモテープは全然違う形だったんだよ。それをセッションの中で音を合わせる時に、そのコード進行で、上段でやってた。ベースのリフがズレたりしてるじゃない?アレも遊びの中で出てきたものを”それ面白いから”って忘れないようDATをまわして。で、勝手にやらせといと、それで、全部音が決まったあとに”さっきやってたこのフレーズで”みたいな。そこで俺が歌うからって。

あれはモダンなものにトライしようと思って。レイジ・アゲインスト・サ・マシーンのCDを聴いて、”こういうのをオレがやるとどうなるんだろう?”と思って。

(おまけ♪)TENDERLY  
  この曲はジェフ・ボバとやってるのね。で、ジェフとも打ち合わせをして、これも一応打ち込みは取り入れてるんだけど、サンプリングじゃないのよ。で、ミドルバラッドなんだけど、今までと違うタイプのものを考えて、同じコード進行の連続の中で、メロディを構築していけたらいいなと。そうなってくるとやっぱり、デジタルなものじゃなくて、よりアナログなヒューマンなもの? 自分の声とか、自分の言葉とかっていうのがより大きなテーマになっているナンバーだから、そういう意味ではこのカップリングっていうのは、氷室京介の次に向けてのサジェスション(提案)にはなってるかもしれないよね。





(管理人談) MELLOWについて

管理人が唯一認める女性アーティスト、椎名林檎のアルバム「絶頂集」(天才プレパラート2000.9発売)の1曲目に収録されてる曲に「メロウ」という曲があります。初期の林檎はとてもハングリーな曲&詞を演りました。その中でこのMELLOWというタイトル。この曲は「ハード」かつ「切ない」…何とも言えないアンニュイなROCK(そんな言葉あるのか…)です。少しグラム的要素も含まれてます。必聴モノです。 また違ったMELLOWな感じです。
ちなみに、メロウというワインもあります。熟された濃い味がしました。(ホント…???)



MELLOW[melou] (大辞林より)

━━ a. 熟した; 芳醇な; 肥沃な; 円熟した; 豊かで美しい ((音色など)); 一杯きげんの; 陽気な.

━━ v. 熟させる[熟す]; 円熟させる[する]; 豊かに美しくする[なる]; 陽気[ほろ酔いかげん]にする.




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