PROMOTION VIDEO 解説

    KING SWINGでの解説

BeatNixプロデューサーヒロ鈴木氏よる解説

魂を抱いてくれ             

初の「プロパガンダ」との制作
本人としてはこれからのコンセプトとして、”サウンド&ヴィジュアル”というのを考えていて、ヴィジュアルに対しても音楽同様にすごくこだわっていきたいと。今、日本のビジュアル市場というのは音楽以上にクオリティが下がっていると思う。MTVもない、流せる番組はケーブルとかすごく限られていて、メジャーな音楽番組は30秒スポットだけ。そんな現状もあって、全体的に制作にお金がかけられない。でも作るんだったら、3分間でおもいきり表現できて、MTVで流してもおかしくないようなものを作ろうと。それならMTVの現場でやっている海外の映像集団「プロパガンダ」と共に制作するのが一番いいと考えたわけです。
コンセプトはまずゼネラルな概念でこれまで氷室京介がやってきたことを一通り説明して、今度はまったく新しい形でスタートしていきたいので、大きなヴィジュアル・チェンジを試してみたいと。それと今回の曲はバラードなんですが、バラードというとストーリー性のあるものになりがちですよね。あまりそのストーリーによって詞のイメージを制約したくなかったんで今回はストーリー性のないものでいきたいと。

砂漠でのロケ
ロケ地はデューモンデューンというラスベガスから車で2時間くらい行ったところの砂漠なんですが、あのオブジェはジャクスタ・ポーズ…、2つの平行なものというのがコンセプトで、大自然の中にハイテックなものを置いて撮影しようと。誰も足を踏み入れてないところから、たったひとりでまた氷室京介が始まっていく。足跡だけ残してね。実はあのシーンの中で使ってない部分があるんですよ。エンディングにも出てきている月に向かって砂漠の山を一直線に氷室京介が歩いていくというシーン。現場は本当に月と砂漠と氷室しかいないっていう状況で、何もない真っ白なところに初めて踏み入れて行って、これからの新しい旅立ちというのを見せたかったんですけどね。
すごく感動的だった。氷室も降りてきて”ヒロにも見せてあげたかった”って言ってくれたんだけど、上っていくと本当に月しか見えなくてもう手が届きそうな感じがするんだって。

対、日本
衣装についてはいろいろな意見があるんだけど、今回の曲は氷室のシングルとして初の日本語タイトルで、バラードで、衣装も普通のものにすることによって日常的、生活感のあるものにするのはすごいいやだったのね。あれほどのヴィジュアルチェンジというのは今までのファンも含めて日本では受け入れられにくいと、みんなそういった意見も氷室にはすべてフィードバックしているけど、本人はまったく気にしてない。日本というマーケットを意識したからといって、そういう日常的なところに落ちていくつもりはないんです。氷室京介は日本ですごくメジャーなんだけど、TVにもラジオにも出ない。何も出てこないんだけど、コンスタントに100万枚を売り上げる超メジャー・アーティストなんですよ。でもどこかですごくインディーズな雰囲気を持っていて、爆発的に売れてしまったインディーズのアーティストという気がするんです。そういう尖ったところは常に持ち続けていきたいと思っています。

撮影現場
撮影時間はシューティングだけで3日間、ものすごい量ですよ。35ミリで2時間40分。3分間のビデオのためにね。
撮影現場の雰囲気は、映画だね。氷室もそれはすごく感動してた。クルーの数からコンテナから何から何まで映画規模。砂漠の中にトレーラーを持ってきて、メイキャップや控え室、レストランまで作って。映像スタッフだけで40人くらいいましたね。アーティストに対するテイク・ケアも、氷室も今まで経験したことがないくらいって言ってましたよ。そにかく彼のコンディションを完璧に整えて撮影現場につれていくだけの役目の人がいる。

そして氷室は・・・
撮影中の本人の様子は、特に曲に入り込むというのに時間をかけていましたね。歌撮りも、気持ちを込めるという意味で。歌詞もすごい詞じゃないですか。自分自身が入り込まないとパフォーマンスできないですからね。
氷室自身は精神的な面ですごく前向きになった。本人曰く、”また新しい光が見えてきた”って。創作意欲も含めて燃えてるんですよ。彼らとやったことによって、今度はこんなことをやりたいという欲求がすごく出てきたみたいで、もう次のビデオのアイディアまで膨らんじゃって、”早くビデオ撮りたい”って言ってますよ。




総合プロデューサー森谷司牟氏による解説                     .
                                
ANGEL                

あれはロンドンの郊外で撮影したんだけど。教会を借りて、ロウソクを全部立ててスタッフが大変だった(笑)。映像に関しては、詞の世界をそのまま表現していくっていうのは嫌だったんで、イメージだけを膨らませてストーリーを作っていって。詞の世界がバッティングしないよう、ストーリーもかなり難解なものにして分からなくしていこうっていう実験を僕の中ではしたんだけど。こういうスタートがあって、こういう結末があるっていうふうにはしたくなかったんで。ヒムロック自身は登場してこないんだけど、いわゆるミュージシャンが出てきて歌を歌っているクリップは絶対嫌だっていう考えが、本人にもはっきりとあったから。あとで考えると、BOOWYのフロントマンからソロになって、今度はどういう歌唱スタイルでやっていいか分からない時期だったと思う。それで自分が出て歌ったりはしたくなかったんだろうなと思うけどね。

DEAR ALGERNON       

ロックスターの休日のテーマにしたいなっていう話をしてて。ロックスターっていつも闘ってるイメージとかあるんだけど。でも、本物のキング・オブ・ロック、ヒムロックが休日をどう過ごすのか。最初ヒムロックに会った時にすごく情熱的でエキサイティングでありながら、クールで穏やかな部分があって、その起伏みたいなところ、狂気に近い部分とすごく自然な部分と、その距離をすごく感じたから。
それで車をいじったりしてるところをきっちり撮ってみたいなっていう。本人も車が好きだし、やってみたいということで。車の運転がうまいんでびっくりしたけど(笑)。カメラ前をスッと抜けていくシーンとか。普通レーサーを使うんだけど、それを氷室本人キチッとやったし。少なくとも撮影用のレーシングドライバーにはなれたなっていう(笑)。彼の内面性、穏やかな部分を表現した映像ってあんまりないから、そういった面では本人が非常によく出てるよね。

MISTY               

これは、NEO FASCIOの時で、最初から最後まで、全部コンセプチュアルにいこうっていうのがヒムロックからの提案だったから、曲も映像もそれに添っていこうって。映像はANGELの流れをくみながら、本人を登場させてみたんだけど。基本的にはファシストのヘッドになった男の夢の中の映像って言う感じ。基本的にヒムロックを映像の中で殺してしまおうっていうことからスタートして。成功を手に入れた人間が壊れていくっていうのかな。
あと、ヒムロックってアルバムコンセプト=本人というアーティストではないじゃない。そこが結構難しいんだけど。特にあるアルバムはそういう部分が大きくて、イメージとしては、すごい映画があって、その中の曲を全部担当したぐらいの感じだから。本人とのシンクロが難しくて苦労した。氷室京介の特徴って世界観がいくつもあるというか、ロマンティックな部分とか狂気の部分とか、自由自在にその世界を行ったり来たりしちゃう。僕としてはそれをどう表現していくかっていう。その分面白いアーティストではあります。

CHARISMA               
当時のhimurockお気に入り)

いろんな戦争とかがテーマなんだけど、原爆反対とか、そういうのはやりたくなかった。ちょうどそういうブームだったし。本当のテーマは、世の中の見えないところで、みんなが着てる洋服の世界にも政治が絡んでるよっていうのがテーマなんだよね。
アニメーションにしたのは、象徴的に表したかったんだ。ファッションって、そのもの自体を出していくと陳腐化していくのかなって。あの頃のことを今考えると、ロックとファッションって密接に結びついて。音楽とファッションとの結びつき、そこに経済戦争っていうアウトサイドからの見方も織り込めないかなって。コンセプチュアルなものを繰り上げていく楽しみにチャレンジしてたね。イメージ合戦みたいに。

LOVER'S DAY              

普通のラブソングがやりたいなっていう話になって。この映像はハワイで取ったんだけど、DEAR ALGERNONの世界に近いかもしれない。これもナチュラルっていうのがテーマだったから。コンセプチュアルワードとしてはボーイ・ミーツ・ボーイ、男が少年の自分に出会う、そういう気持ちでいこうって。いろいろあったけど、自分の中の少年っていう部分に帰っていこうと。これも車が出てくるんだけど、こっちはアメ車で。ロンドンの感じから離れて、アメリカの感じでやりたかったんだよね。少年も牧童っていうイメージで。曲がそういう感じだったじゃない。どこでもなくて空気感がすごくあって。曲を聴いたイメージで、光が強くて、空気が澄んだ感じがいいなって。ヒムロックも、俺は絶対に太陽が似合わない男だからって言ってて。あとから知ったんだけど、実は雨男だったっていう(笑)。光の下に引っ張り出すっていうのが結構大変な作業で、みんなもそんなイメージなかっただろうし。ゆるやかに氷室京介っていうものを、曇り空じゃなくて光の強いところに出たらどんな感じかなって。

KISS ME           

これは大前提として、歌おうと。ただ、ヒムロックからの条件で、カメラに向かって歌ったのが生で出てくるのはやめようっていうのがあったんで。じゃ、それを何らかの方法で投影して作っていくのがいいんじゃないかと。布とか壁とか、いろんなところに投影して撮っていくっていう方法でね、一回投影したのを写していくとと画面が固くなって、グラフィックもいろんなテクニックを駆使してるから、単純にポンと撮った素材は使わないわけで。先に撮っておいたグラフィックのイメージとどのくらい連動させようかなって。この曲も全然詞の内容は気にしてない。最初にもらったデモテープの曲のイメージでどんどん作っていって。
普通ビデオクリップ撮ると、みんな目の高さだから距離感が詰まっちゃうんだけど、ヒムロックの場合は距離感を突き放してたほうが、面白いなっていうか、そういうスターなんだなって思う。
                                                                           ※引用文献23





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