’03〜’04

2003年春、氷室始動。2004年新たなる伝説へ。




Chrome Heartsマガジン vol.4より
バイクに乗る僕のために、スタッフが誕生日にくれたプレゼントがCHの革ジャンだった。LAに行く機会が多かったので、よくマックスフィールドを覗いた。作りが丁寧でシルバーのマテリアル自体も好き。

「完璧しかいらない」 (毎日新聞コンサート情報欄より。田家氏による解説)     20003年9月6日
創造と破壊。一度作り上げた形を壊して新しい試みにトライすること。ただ、締め切りなどの制約もある中で、それを突き詰めるのは容易ではない。
「ほとんど出来上がっていたものを1年半前にいったんバラしたんですよ。1曲だけ残りましたけど他は全部新たに作りましたね」
8月20日に発売された3年ぶりのアルバム「FOLLOW THE WIND」について彼はそう言う。アルバムは、かつて10年間在籍していたレコード会社東芝EMIへの復帰1作目だ。「東芝EMIという会社で作ってきた”氷室京介”という歴史に太刀打ち出来るだけの作品になっていないと思った」
氷室京介の歴史。1982年にデビューしたバンドBOOWYは、ロック・バンドの概念を変え”ビート系”という言葉を生んだ。88年からのソロ活動でも”スピードとビート”は枯れの代名詞になった。ただ、一時は”脱ビート系”と呼べそうなアルバムもあった。「今回は、時間かけた分納得がいってますよ。あんまりやらなかったビート系の曲を意識して作ってるし。いつもより自信はありますね」
98年の横浜スタジアムのライブの時だ。「2ヵ所間違った」と納得しない彼の言う2ヵ所はわずか2音を意味していた。2時間半のライブで2音のミスも妥協しない完璧(かんぺき)主義。「そういうと大げさになりますけど、病的な所はありますね。日本でやっている時も周りの人は、どこが気に入らないんだって険悪になりましたから。アメリカに行ったのもそれですね」。96年から制作の拠点をロスに移している。自宅にはスタジオもあり家族も一緒だ。ニューヨークのテロもイラク戦争も生活者として経験した。アルバムにはそんな時代観や世界観も反映している。「緊迫したものがありましたよ。郵便物に変なものが入ってないとか。家族を守らないといけないわけですから」。新たな試み。これまで距離を置いていたラップを取り込んだスリリングなスタイルを完成させている。「ロック寄りにやってみたというだけですけど、テンションは明らかに上がりますから。これからもこういうのはやるでしょうね」
今年15周年。7月20日にはさいたまスーパーアリーナでたった一回の記念ライブを行った。8月29日からは3年ぶりのツアーが始まっている。約40本。15年間で最もビート色の濃いステージを展開中だ。「毎回悔しいと思っていますからね。畜生という気持ちは失ってないんで。最終日には完成したステージをやれると思う」
去年再燃したBOOWYブームも「あの時代だからカッコ良かった」と一蹴する。彼の中に”ノスタルジー”という言葉はない。
※この内容は、8/30、9/6NACK5にて放送、9/20MSNエンターテイメントでの動画インタビューで配信、「newsmaker 2003/11号」掲載、11/25「Case of HIMURO」DVDスペシャルインタビューに収録されている。

2003年ツアー以降。そしてドームライブについて              2004年7月
−去年のツアーはどんなふうに思い起こすんですか?
「結構刺激的でしたよね。久しぶりだったせいもあるんでしょうけど。まあ、いつも久しぶりですけどね。俺の場合。3年ぶりとか(笑)。それと昔の曲をやったこともあるでしょうね。『ROXY』とかもやりましたし、BOOWY時代の曲もやってましたからね。新鮮でしたね。」
−ファンの間には語りぐさになってますけど、代々木の最終日で、感極まって歌えなくなったあのシーンというのは、いまどういうふうに−。
「あれはもう恥ずかしいですよ(笑)。いま思っても恥ずかしいですから、思い出さないようにしてますけど。パニクってましたからね。自分がコントロールできなくて。ああいうことはあるんだなって自分でびっくりですよね。他人のコンサートのビデオとか見ていて、ああいうシーンが出てくると、”よく言うよ”って思ったりしてたんですけど、まさか自分が(笑)」
−去年の代々木のDVDは発売されるんですよね。あのシーンは入るんですか?
「入りますよ。もう『CLOUDY HEART』はあのアレンジ以外やらないでおこうと思ってますね。あの形には勝てないですから」
−永久保存版ですね。で、そういう去年のツアーがあって今回の東京ドームがあるわけですが、この話はいつ頃やろうと決めたんですか?
「ツアーが終わってからですけどね。でも、それに関してはあんまり真面目に話ができるかどうか分からないんですけど。ほんとに思いつきで悪ノリした部分に周りが乗ってきちゃって、引くに引けないというところもあるんで(笑)。でも、楽しんでできればというのはありますけどね。ソロになって最初のうちは必要以上にBOOWYに関して作っていたじゃないですか」
−ですよね。
「で、そうやって15年間やってきたことと、前回のツアーで、自分の中で壁が取っ払われた気がすごくするんですよ。もちろんやってみないとわからないですけど、きっといま、BOOWYの曲をやっても、決して媚びた形にはならないと思うんですよ。ソロでやっている音楽がBOOWYとは全く違いますからね」
−このトリビュートは去年のツアーがあったからといってしまって良さそうですか。
「ですね。去年のツアーが不満足に終わっていたらそうなってはいないでしょうけど。ファンとのリレーションシップとか、いろいろな意味で、もうやっても良いのかなと思ってこうなったんでしょうね。氷室京介として15年間キチッとできたなと思えた。到達したということではなくてね。タイトルもふざけて”VS”とかしてますけど、もう比べようがないですもんね。ソロはまったく違うジャンルになってるし。嘘偽りなく、BOOWYに関してはあんまり興味ないんで。いまが一番聴いてるかもしれないですね。歌詞を覚えないといけないんで(笑)」
※参考文献49




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